千雨と蟻と小銃と 39-2


 勢いがつきすぎた椅子が倒れ、盛大に音を立てた。ただでさえ注目を浴びていたのに、これで食堂にいる署員全員が自分を見ているのが嫌でもわかる。厨房からも視線が飛んできていた。
 だが、小島にそんな雑事を気にしている余裕はない。数多の視線の中で一瞬、強烈な視線を放った火村の精察に忙しいのだ。
 今は表情を戻しているが、椅子を倒した瞬間「こいつは」と物語ったのは見間違いでは無いはず。すると、自分の中に降って湧いた内密の話があるという予想が的中したことの証明として良いはずだ。彼は一体自分にどんな話があるのだろうか。途端、脳裡に最悪の事態がちらつき出す。
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