千雨と蟻と小銃と 36-9


 ――お母さんは!?
 叫ぶようにして、絵画の中から抜け出したような貴婦人に聞いた。恐れや胸騒ぎなどいろいろな感情が渦巻く。それがなにに対してのものか正しく判断している余裕はちいさな千雨にはなかった。
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二百五十回更新をおこなって

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 もう年が明けて一月半が経ち、早いとしか言いようのないオギカドカヤです。
 今回で二百五十回目の更新となります。
 原作……終わりますね。あと三回と相成りました。いろいろ感慨深いものです。まあ、ネギまに関する感想は、終わってからとして……
 なんだろう。これと言って話題がありません。変化が余りない。日々、仕事をこなし、遊び、時間が出来れば小説を書く、こんなんです。

 最後に、コメント・拍手・ご意見・誤字報告ありがとうございました。これからもよろしくお願いします。
 

麻帆良外典 ~真・女神転生before~ 受胎編 第三ノⅣ



 第三章 潜入異界都市Ⅳ 抜道


千雨と蟻と小銃と 36-8


「さて、もう一度聞きますが、あなたに魔法を教えた魔法使いの氏名は?」
 冷たい男が椅子に腰を下ろしていた。両肘は机の上に置かれ、その手はガッシリと組まれている。そういう彫像のように見える。まったく血潮を感じさせない。たまにされる瞬きが生き物であることを辛うじて証明していた。鉄から削りだした爬虫類のような男、本国からやって来た査察官、ロバート・アレキサンダー。

千雨と蟻と小銃と 36-7


 神楽坂明日菜はきょとんとした。
 大きくゆっくり瞬きしながら、大騒ぎし勿体付けた割にはその程度の事かと思ってしまう。
「え~っとたしか、鎖国って江戸時代に行っていたのよね。……他国と交流しないんだっけ?」
「中国とオランダ以外やね」
「ふ~ん」と近衛木乃香の補足を聞きながら、それでどうなるのかと想像する。だが、明日菜は問題点が見つけられない以前だった。

千雨と蟻と小銃と 36-6


 時計に目を向けると、六時を少し回っていた。
 帰宅して二時間半と言ったところだろうか。中間テストも来週に迫り、汚名返上とばかりに勉強に手を付けてみたものの、神楽坂明日菜は集中できないでいた。それを証明するように開いたノートは二時間前と大して変わっていない。