千雨と蟻と小銃と 34-10


「オイ、ドウシタンダ?」
 チャチャゼロの問いに長谷川千雨は答えなかった。ノートパソコンをどこからともなく取り出し、準備を始める。
「ダカラ無視スルナッテ」
 実力行使に出ようとしたのか手にはナイフが握られていた。
スポンサーサイト



二百三十回更新をおこなって

  • カテゴリ:未分類
  • コメント:0件
  • トラックバック:0件

 夏の疲れが出始めているのか、最近、異常に眠いオギカドカヤです。
 今回で『千雨と蟻と小銃と』も二百三十回目の更新です。この十週間は結構修羅場を体験する事となりました。『麻帆良外典』は、一章、七話で元々構成していたのを四話に縮小しているのですが、書きに書き直し、気付けば四パターンほど書いて合計十六万文字突破。『千雨と蟻と小銃と』『恋情奇譚』を会わせると二十二万文字という。私の職業はなんなんだと思わせるほど、執筆していました。本職の方はこれぐらいの分量は一週間も掛からず掛けるのでしょうが……、まあ、素人として一時間で四千文字(ただし正確さには欠けています。蒔絵はは間違えでまき絵ですね)打てるようになったのは、自分でもちょっと凄いかもと思いました。

 最後に、コメント・拍手・ご意見・誤字報告ありがとうございました。これからもよろしくお願いします。

麻帆良外典 ~真・女神転生before~ 受胎編 第三ノⅡ



 第三章 潜入異界都市Ⅱ 潜入


千雨と蟻と小銃と 34-9


「オッ! 完成シタノカ?」
 別荘から出てきた長谷川千雨にチャチャゼロが声を掛けた。千雨は質問に答えるより先に壁に掛かる時計を見る。
 午後十二時五十七分。約束の時間までおよそ十一時間。
『どうすっかなぁ』

千雨と蟻と小銃と 34-8


(ここがもう一人の長谷川千雨君が住んでいた町か)
 高畑・T・タカミチは火村の後輩・小川から得た情報を確かめるために一人、静岡まで足を伸ばした。
 長崎の方は火村達が伝手を使って調べている。ここも本来そうするはずだったが、なにかの予感かタカミチは学園長にも秘密にして、自らこうして出向いていた。このタカミチの独断専行を知っているのは火村と小川の二人だけだった。

恋情奇譚 11


(この無為に流れるような毎日はなんなんだい。昨日なんか何も起こらず無難に終わったじゃないか。なんで面白いイベントがまったく起こらないんだい)
 蓮城志乃は踏み台に上り、精一杯手を伸ばして板書するネギ・スプリングフィールドを見ながら、口の中で呟いた。左から右に、届かなくなったら踏み台を動かし、また続きを書き始める。

千雨と蟻と小銃と 34-7


 長谷川千雨は背もたれに身体を預け、後ろ脚だけでバランスを取りながら器用に椅子に座っていた。両手は頭の後ろで組まれ果てのない真っ白な天井を見上げる補助をしている。微動だにしない。そのポーズのまま、エヴァンジェリン・A・K・マクダウェルに頼まれた依頼を黙々と頭の中でこなしていた。
 石膏像のように固まっていた千雨だったが、その目がぎょろりと向く。すると、同調するかのように部屋のドアが音も無く開いた。

千雨と蟻と小銃と 34-6


(ここに……)
 東京とはまったく違った街並みを前に犬丸優子は、呆然と立ち尽くす。居ても立ってもいられずに学校を早退し、そのまま電車に飛び乗ったまでは順調だったが、
(でも、どうしよう)