千雨と蟻と小銃と 33-3


 足早に出て行くエヴァンジェリン・A・K・マクダウェルの後ろ姿を火村は見送った。
 少し間を開けて魔法使い達も病室を後にする。この場が病院内でないのなら携帯電話を取り出しているだろう。慌ただしさが身のこなしから滲み出ている。壁に掛かった時計に眼をやると時刻は十七時を少し回っていた。これまで犯行の時間を考えるとあと三時間ほどしか準備の時間がない。それまで場を用意する必要がある。
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千雨と蟻と小銃と 33-2


「ただいまぁ」
 玄関から聞こえてきた同居人の声に、神楽坂明日菜は教科書から顔を上げた。
 手持ち無沙汰から勉強となったのだが、まったく集中できないでいる。元々集中力はある方ではないが、じっと空中に投影された英文を睨み付ける少年が気になって仕方が無いのだ。だが、声をかけられる雰囲気でもない。ネギ・スプリングフィールドには鬼気迫るものがあった。持ち前の行動力を駆使しても何か言うことははばかられるほどに。

千雨と蟻と小銃と 33-1


 ベッドに腰掛けた近衛近右衛門が複雑なものが浮かべて瞑目していた。
 エヴァンジェリン・A・K・マクダウェルは室内の片隅で腕を組み壁に背を預けてその様子を見ている。高畑・T・タカミチから受けた報告を吟味しているのだ。
(もっとマシな言い訳を用意できなかったのか) 
 無駄に時間をとらせる原因を作ったクラスメイトにエヴァンジェリンが心中で愚痴をこぼした。

二百十回更新をおこなって

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 『千雨と蟻と小銃と』も今日で二百十回目の更新となりました、オギカド カヤです。
 GWどうお過ごしでしょうか? 私は平常通りの勤務に付かされており、予定が全部キャンセルとなりました。全日程出勤しないだけマシなのかもしれませんが……、四月ぐらいから薄々こうなる予感はしていたのですが、ほんとどうしてこうなった。

 最後になりましたが、コメント・拍手・ご意見・誤字報告ありがとうございました。
 これからよろしくお願いします。

麻帆良外典 ~真・女神転生before~ 受胎編 第二章ノⅦ



 第二章 学生寮変貌Ⅶ 妖蛇


千雨と蟻と小銃と 32-11


「これで何とかなりますやろ」
 天ヶ崎千草は変貌を遂げた室内を見渡した。
 大胆にリフォームされた室内には、二階に作られた茶室から降ろした畳が入れられている。
 その上には人一人が座れるスペースだけを開けて、後は祭具が並ぶ。そして、区切りを表す注連縄が恭しく外周を取り囲んでいた。