二百回更新をおこなって

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 『千雨と蟻と小銃と』も今日で二百回目の更新となりました。オギカド カヤです。
 二百回……一回の更新料がおよそ5000文字なので100万文字いっているか、いっていないかといったところでしょうか。
 修学旅行までは原作がプロットだということもあって、さくさく(?)進んだのですが、最近は歩みが亀のようです。自作のプロットはどうも長くなるようです。小説を書くのにこなれてきて文章に無駄がありすぎるということもあるかもしれませんし、一回の更新を5000文字を目安にしているのも、相乗効果をもたらしている感があります。
 よって最近、何か一冊、新人賞の募集要項の範囲で話をまとめて書ける技術が必要あるのではないか、と思うようになりました。週連載とあって一回の更新量は決めていても、総量が決まっていないと言うことが長引く原因になっているのではないかと、そんなことを思ってしまったわけです。

 最後になりましたがが、コメント・拍手・ご意見・誤字報告ありがとうございました。
 なんか色々書きましたが、これからも完結目指して頑張りますのでよろしくお願いします。
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麻帆良外典 ~真・女神転生before~ 受胎編 第二章ノⅥ



 第二章 学生寮変貌Ⅵ 契約


千雨と蟻と小銃と 32-1


 ぽっかりと顔に出来た虚空に指を這わせながら、長谷川千雨は男の立っていた場所を無事な右目で呆然と見た。当たり前だが男の姿はない。
『千雨、その目……』
 イステの声に応える代わりに孔から指を引き抜く。血は出ていない。そういった傷ではない。痛みもない。途切れた神経は何の異常も伝えてこない。これが正常だと言わんばかりだ。半分になった視界と落ちくぼんだ瞼が普段とは違うからこそ、気づけたと言っていいだろう。

千雨と蟻と小銃と 31-9


 頭部の形状に見入っているイステの脇腹に男の鉤打ちが迫る。風を巻き込み、ゴオッと音を立てる触れた箇所を軒並み抉り取るような剛拳だった。
 それをこの場にはふさわしくない、「お~っと」とちょっと間延びした口調で言いながら、腰だけを引いてやり過ごす。だが、その拍子に体液でズルズルだったエヴァンジェリン・A・K・マクダウェルの頭部が指の隙間からこぼれるように滑り落ちた。

恋情奇譚 09


 パァアアンと紙袋を破裂させたかのような素早く小気味よい音が鳴り響く。
 キュッとゴムがすれる音も。
 他にも音はあるが、ひときわ目立っているのがその二つの音だ。
 ネアネ・スプリングフィールドが少し顎を上げて見上げるその先には、ロープに囲まれた空間がある。
 リングだ。

千雨と蟻と小銃と 31-8


 一通り笑ってから長谷川千雨の口から盛大にため息が漏れた。
『……これどうすんだよ』
 本音も漏れる。千雨の力でも隠蔽は不可能だ。結界を張ったのは我に返ってから、その前に呪実の力は解放されていた。それは確実に探知されているはずだ。
『協会には連絡を入れているか? ……って入れてるか』

千雨と蟻と小銃と 31-7


 本来、契約者当人たちにしかカードの機能を使えない。そんなのは当たり前のことだ。当然、呪実との契約カードは契約主である長谷川千雨にしか使えない。
 しかし、イステは使ってみせる。いや、使うと言うよりは誤魔化してみせるというのが正しいのか。
 千雨の身体を操り、その口で詠唱を行う。供給する魔力も身体に流れる千雨のモノ。
 ただ本人の意志でないだけだ。しかし、唱えたのも魔力も使用したのは本人である事には変わりない。