百八十回更新をおこなって

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 『千雨と蟻と小銃と』、百八十回目の更新、オギカド カヤです。
 秋はどこに行ったのでしょう? 夏が暑かったので秋の気温を忘れてしまっているだけなのでしょうか?
 九月まで暑い日が続くとか聞いたのですが、一気に季節が進んだような気がします。
 今年も後三ヶ月ほど、月日の流れるのは本当に早いものです。
 メガテンを書いているので忘れないようにと、たまにプレイ動画を見るのですが、クローンなんてものがあるのですね。ちょっとやってみたいと思ってしまいました。でもあれって法律的に大丈夫なんでしょうか? ヤバイんじゃないでしょうか、と二次創作をしている私が言うなと言うものですが……

 最後になりましたがが、コメント・拍手・ご意見・誤字報告ありがとうございました。
 これからもよろしくお願いします。
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麻帆良外典 ~真・女神転生before~ 受胎編 第二章ノⅣ



 第二章 学生寮変貌Ⅳ 合流


千雨と蟻と小銃と 29-8


 真っ暗闇だった。
 目を開けた時にはここにいた。
 目を瞑る前は、せり上がる影とその隙間から垣間見たクラスメイトの名状しがたい表情、そして魔法使いなら絶対に聞いた事がある吸血鬼の慌てた声が耳に残っている。
 ――おい!! 貴様あんな不完全な転移を――何のつもりだ。

千雨と蟻と小銃と 29-7


 キュッ、キュッ、と音が響く。
 その音は音を立てる者の心情を十分に過ぎるほど表し、楽しんでいるんだろうな、と思わせるには十分で、それほどリズムに乗っていた。
 迷い無く手は動かし続けられ手。それにともないメリハリのあるキュッ、キュッとした音が鳴る。
 ベッドに腰掛け、思案に耽っているエヴァンジェリン・A・K・マクダウェルを横目に、長谷川千雨はネギ・スプリングフィールドたちに与えるためのアイテムのデザインをホワイトボードに起こしていた。

千雨と蟻と小銃と 29-6


 真っ白な部屋。
 エヴァンジェリンリゾートで長谷川千雨に与えられた部屋。
 天井を見ていると、常人では遠近感を失い、異常をきたすかもしれない。そもそもこの部屋は千雨以外、ここの主であるエヴァンジェリン・A・K・マクダウェルかその従者である絡繰茶々丸しか入らないのでそんな心配はない。例外として施術するために犬上小太郎を入れたぐらいだろうか。

千雨と蟻と小銃と 29-5


 新見はチグハグな表情のまま少しだけ視線を下げた。小休止といったところかもしれない。
 小島もその間に考える。
 メモや記憶の消去と言った不可解な出来事。それに対する周りの対応。まるでこの都市のあり方そのものを表したようなそれらは、他人事では済まされないことだった。
 なんとも言えないものが込み上げてくる。だが、それでも新見とは重みが全然違う。それに、

恋情奇譚 08


 もうすぐ学園祭とあって都市は賑わいを見せ始めた。普段から騒々しい街だがこのところは特にそうだ。もともと、この都市に住んでいた者たちはそんな空気にもなれているが、今年からこの街に――学校に通うことになった者たちは、どこか違う空気を感じ、このところソワソワとしている。
 1-A組の出し物は喫茶店。まだそれほどぶっ飛んだ思考が繰り出されるには時間が短く、極々普通の喫茶店を催そうとしていた。
 室内にはクラス内の三分の一ほどの少女たちが準備に勤しんでいた。部活動に入っている者たちはそちらにも顔を出さないといけないので、教室で準備をしている者は少なかった。

千雨と蟻と小銃と 29-4


 新見の表情は見るに忍びないものだったが、目が逸らせずにいた。痛々しいまでの沈黙が曇天で薄暗い場をより一層暗くする。なにか声をかけるべきなのだろうが、いい言葉が思いつかない。
 その時、過分に水気を含んだ風が吹き、小島の髪を揺らした。それが呼び水になったのか、まったく動けずにいた体が少しだけ動き、眼だけがそっと天を仰いだ。
(雨が降り出すかもしれない)