千雨と蟻と小銃と 28-6


 アルベール・カモミールは誰にも気付かれないようにネギ・スプリングフィールドの肩から下りると、事の成り行きを見守っていた。
 本来ならネギの使い魔なのだから、彼の手助けをするべきなのだが、あえて口を挟まないようにした。
 それは決してこのまま上手くいけば仮契約の手数料でガッポリ稼げるとかそんな邪な考えではない。そのことにカモは自分自身で驚いている位だ。ネギが彼女たちと仮契約をすれば一人につき五万オコジョドルの手数料が入る仕組みになっているが、そんなことよりカモは気になって仕方がないのだ。神楽坂明日菜たちの話の運び方が……
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百七十回更新をおこなって

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 『千雨と蟻と小銃と』、百七十回目の更新となりました。オギカド カヤです。
 暑い日が続いていますね。夏バテなど起こされてないでしょうか? 職場の温度と外の温度で体調が微妙におかしいです。
 どうでもいい話なんですが、先日、バイクでちょっと遠出をして帰りが深夜になった時の話なんですが……
 信号待ちをしていると、原付に横付けされました。
 そんなことは別に不思議でもなんでもないのですが、その運転手が日本刀を背負ったスーツ姿のノーヘルのオッサンだった場合どうすればいいのでしょうか?
 私も我が目を疑ってガン見したのが悪かったのでしょう。どや顔を返された時どう対処すればいいんでしょうか?
 ストレス社会の象徴か、暑さのせいなんでしょうか? 
 ほんとうにどうでもいい話でした。すみません。

 コメント・拍手・ご意見・誤字報告ありがとうございました。これからもよろしくお願いします。

麻帆良外典 ~真・女神転生before~ 受胎編 第二章ノⅢ



 第二章 学生寮変貌Ⅲ 接敵

千雨と蟻と小銃と 28-5


 長谷川千雨は、かけられた言葉を聞き直しそうになったのを、咽喉のところで止める事に成功した。
 背筋にツーッと嫌な汗が一筋流れる。ネギ・スプリングフィールドの事だと傍観者気分で流れを見守っていたが、その矛先が自分に向くなど考えてもないかったための反応だった。
『なんでそうなるんだ』

千雨と蟻と小銃と 28-4


 近衛木乃香のお願いを聞いたネギ・スプリングフィールドは眩暈に襲われた。
 真っ青になったネギの視界は暗幕が下りようとしたが、このまま気を失うわけにはいかないと本能はそれに逆らった。心臓を激しく収縮させ、胸から上に行かなくなった血を補充する。それは痛みとなってネギ頭の中を駆け巡り、朦朧とし始めた意識をしっかりと繋ぎとめた。
 霞む目はそれを語った木乃香を凝視し、なにかの聞き間違いではないのかと、脳髄に刻まれた最新の言葉を何度も反芻するが、聞き慣れたルームメイトの無邪気な声は、何度聞いてもネギの都合の言いように改訳されなかった。

千雨と蟻と小銃と 28-3


 右手に買い物袋を提げて長谷川千雨は真夏の太陽を浴びていた。生ものが痛まないか心配になるほどの強烈な日差し、多湿でない事だけが救いだろう。
 チラリと空を見上げると、遠くに薄っすらと白い雲が浮かんでいる。エヴァンジェリン・A・K・マクダウェルが所有する別荘の中、ゲートの魔法陣が施された石造りの塔の天辺から見上げる空は果てしなく遠かった。

千雨と蟻と小銃と 28-2


 小雨の中、麻帆良署の前には報道陣が張り付いている。火村はそれを窓際から見下ろし、その中の一組に焦点を当てた。
 カメラマンが担ぐプロ用ビデオカメラは当たり前だが映像を撮るためのものだ。しかし彼にはなにかの兵器のように見え、これから署に向けて攻撃を開始する、そんな馬鹿な考えが浮かんだ。
 発射される爆弾も準備についている。ビニール傘とマイクを手にした女性レポーターが出番を待っていた。