百二十回更新をおこなって

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 千雨と蟻と小銃と、百二十回目の更新となりました。
 今年はそれ程熱くないのに、気温変化について行けてない様な気のするオギカド カヤです。
 鼻がぐずぐず言っています。風邪には皆様方も体にはお気をつけください。夏休み旅に出るのになかなか治りません。
 簡単ですが、コメント・拍手・ご意見ありがとうございました。これからも楽しんでいただける様に頑張りたいと思います。

 最後に今回の麻帆良外典、長いので前編、後編に分かれております。ご注意を。
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麻帆良外典 ~真・女神転生before~ 受胎編 第一章ノⅤ



 第一章 悪魔召喚プログラムⅤ 召喚(後編)


麻帆良外典 ~真・女神転生before~ 受胎編 第一章ノⅣ



 第一章 悪魔召喚プログラムⅣ 召喚(前編)


千雨と蟻と小銃と 22-8


 吹き飛び倒れる犬上小太郎。ヴィルヘルム・ヨーゼフ・フォン・ヘルマンは帽子を目深に被り直すと、そんな彼に歩み寄った。
「本意ではない。恨まないでくれたまえ」
 そう言って、彼の帽子のつばで隠された顔に光が灯る。見るものが見ればそれが魔力の収束だと分かるのだが、この場にはそれが分かる者は床で気を失っている小太郎のみ。

千雨と蟻と小銃と 22-7


 玄関で塩の像と化していた村上夏美は、起きたことのすべてを目に焼き付けいていた。
 現実ではないような戦いが目の前で繰り広げられた。どこの誰とも知れない伯爵を名乗る老人を雪広あやかが投げたのだった。
 その光景に場の時間が止まる。
 投げられた老人――ヴィルヘルム・ヨーゼフ・フォン・ヘルマンも、その傍ら仰向けで倒れていた犬上小太郎も、急に立ち上がったあやかを止めようとした那波千鶴も、一様に動きを止めた。

千雨と蟻と小銃と 22-6


 神楽坂明日菜は不意に目を覚ました。それと同時にズキリと首が痛んだ。顔を顰めて状況を把握するより先にそれが目に入った。
 声が出せない。猿轡をされているが少し位なら声は出せる。だがそんな機能を持っている事すら忘れたかのように一声も発しなかった。
 それは背を曲げ下から睨み付けるようにして覗き、見上げていた。

千雨と蟻と小銃と 22-5


 世界樹近くの学園祭やイベント等で使われる野外ステージ、雨は絶え間なく降り続いている。
 ステージ脇の暗がりが稲光によって微かな時間照らされた。
 ロープで雁字搦めにされ、口には猿轡をされて転がされているふたり。
 神楽坂明日菜と近衛木乃香だ。ふたりとも胸の辺りが微かに上下している。
 それを行なったのは帽子を被りメガネを掛けた少女型のスライム――あめ子。彼女はすらむぃが来るのを待っていた。

千雨と蟻と小銃と 22-4


 麻帆良学園中等部女子寮の大浴場は、寮生の多さから、そこらの銭湯施設を超える規模を誇り、その広大さから死角が多々あり、周囲に気付かれず、ひとりになることも出来る。そんな場所でひとり長谷川千雨は、髪を洗っていた。
『どうだった?』
『協会はまったく気付いてないの。そんなことより、ちゃちゃまるとあなせすの対応にてんてこ舞いなの』