千雨と蟻と小銃と 21-7


 神殿の柱のように立ち並ぶ書棚の間を通り過ぎ、等間隔に設置された穴からのぞく淡い光が長谷川千雨の背後に影を作っていた。
 与えられた部屋の隣にある広大な図書室内、千雨の足音だけが響いている。それはそうだ。時刻はすでに零時近い、昼間でも蝋燭の心許ない灯りしかない図書室、深夜ともなると薄気味悪さが際立ち、常人に足を運ばせる気にはならない。
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百十回更新をおこなって

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 GW全部仕事だったオギカド カヤです。
 忙しさのあまり友人にニートになりたいと、電話をかけると、疲れてるんだなと、一人旅を進められました。
 旅とは友人たちとワイワイガヤガヤするものだと思っていた私は、なぜと聞き返すと、飯は出てくる。布団の用意までしてくれて、場所によっては温泉もある。煩わしさや、忙しなさからも解放されるんだと、懇切丁寧に力説してくれました。
 簡単にしか書いていませんが、この時まで一人旅の意義を見出せなかった私は目から鱗で、なるほどと思いました。
 夏は一人旅を計画中です。ってなに書いてんだろ。
 さて、今回で百十回目の更新となりました。ついでに二十万HITもです。
 足を運んでくださる皆様ありがとうございます。
 最後に感想、拍手、ご指摘ありがとうございます。これからもよろしくお願いします。

麻帆良外典 ~真・女神転生before~ 受胎編 第一章ノⅢ



 第一章 悪魔召喚プログラムⅢ 決断


恋情奇譚 04


 二月上旬、北風が吹き荒み、道行く人々は風の当たる面積をどうにか少なくしようと身を縮めながらぞろぞろと歩いていた。
 始業ベルがなるまでまだまだ時間に余裕があるためか、学校までダッシュする者はまだ見られない。この寒さならダッシュすれば温かくなるのだろうが、そこまでする猛者は現れなかった。
 そんな中に蓮城志乃もいた。一人目立つ改造制服を身に纏って。

千雨と蟻と小銃と 21-6


 テラスに長谷川千雨の姿はない。彼女は食事が済むとひとり自室へと引き上げた。今この場にいるのは千雨を除いたメンバーだけいる。
 食事中はなんとも言えない空気を払拭しようと朝倉和美が率先して明るく努め、古菲も責任を感じているのか、いつもより明るく振舞い馬鹿をやった。今もその名残のビンが握られている。ラベルには手書きでジュースと書かれていたが中身はエヴァンジェリン・A・K・マクダウェル秘蔵の酒だった。

千雨と蟻と小銃と 21-5


 屋上中央。そこでは夕日を浴びてネギ・スプリングフィールドとエヴァンジェリン・A・K・マクダウェル、チャチャゼロ組が対峙していた。
 ネギは至る所に傷を負い肩で息をしている。それに比べエヴァンジェリンは見下すように宙に浮き不敵な笑みを浮かべていた。

千雨と蟻と小銃と 21-4


 神楽坂明日菜たちは、最寄り駅からエヴァンジェリン・A・K・マクダゥエルの家目指して走り続けている。一度寮によるべきか迷ったが、そのまま突っ走っていた。
 もう十メートルとしない距離にエヴァンジェリンの家が見えていた。
「雨強すぎるわよ」