千雨と蟻と小銃と 21-3


 雨脚も強くなり始め、神楽坂明日菜のたつ駅のホームには利用客は自分とあと三人しかいなかった。
 明日菜の表情は冴えない。ほかの面々も同じ様な表情をしていた。
「尾行ばれたのかな?」
 明日菜がポツリと言葉をこぼした。視線は虚空を見上げている。 
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恋情奇譚 03


 空が紅く染まりだし、麻帆良女子中等部の校舎に向う集団があった。
 ネギ・スプリングフィールドを中心に置いて、左右を宮崎のどか、綾瀬夕映、少し後ろに神楽坂明日菜、そして二メートルほど離れた所に大量の本を抱えた蓮城志乃。メンバーはこれですべてだった。
 帰り支度のすんだ学生とすれ違いながら志乃達は、これからあるネギの歓迎会に向かっていた。

千雨と蟻と小銃と 21-2


 長谷川千雨が近衛木乃香の持っている本を凝視したまま止まっている。
 眼球だけを動かし、ちらっと木乃香の表情を見るが笑顔だ。
 嫌な予感しかしない。今日本を貰ったと口述すればいいだけなのに、態々こうして場を設けて態々自分に差し出す。
 それはつまり、
『私のってことか?』

千雨と蟻と小銃と 21-1


 数日が過ぎ、長谷川千雨は代わり映えのない生活を送っていた。
 大まかに学校、別荘、ネット、寝る。この四つが規則正しく繰り返される。そんな単調な日常。だが彼女にとっては有意義な日々として送られていた。
 千雨は堂々とノートパソコンをいじっていた。授業中であるにもかかわらずに。
 周囲はそんな千雨を見向きもしない。彼女も注意を受けると面白くないので、魔法を使って注意されないよう細工を施していた。

千雨と蟻と小銃と 20-5


 部屋に着くなり千雨はパソコンチェアに腰掛け足を組み、夕映とのどかにはソファを勧めた。
 夕映とのどかは物珍しそうに千雨の部屋をキョロキョロと覗っている。
 千雨は改めて自分の部屋を見やるが、これと言っておかしな物はなにもない。おかしなものに分類される物はすべて別の場所に移している。この部屋にあるのは備え付けの家具と、千雨が入れたガラステーブルにソファ、後はパソコン周りぐらいしかない。

千雨と蟻と小銃と 20-4


 一夜明け、学校はいつもと同じく騒々しさで溢れかえっていた。耳に入ってくる話題は昨日のドラマなど他愛もない話題。
 本日三時間目は自習だった。
 長谷川千雨はノートパソコンを広げていた。画面にはニュースサイトが開かれており、画面右上にはニュースが音こそないが映し出されている。アナセスを使えばこの程度の事造作もないことだった。
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