千雨と蟻と小銃と 17-8


 長谷川千雨はエヴァンジェリン宅から一人先にお暇させてもらった。
 ログハウスではまだネギ・スプリングフィールドたちが話し合いをしているだろう。
 これから聞きに行かなければならないことがあったからだ。今もそこに向っていた。
 千雨が今立っているのは麻帆良女子中等部の前。
 時刻は午後九時を回ったところだった。
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千雨と蟻と小銃と 17-7


 ネギ・スプリングフィールドの修行に関しての話は纏まりを見せなかった。
 ネギ自身を強くすることは当然として、前衛が決まらないのだ。
 候補としては神楽坂明日菜と桜咲刹那。刹那に関しては従者の従者なので後で確認をとる必要ある。
『無駄に長かったな……』

千雨と蟻と小銃と 17-6


 夜の帳が下り、エヴァンジェリン・A・K・マクダウェルのログハウスの二階では、半泣き状態で電話しているネギ・スプリングフィールドがいた。
「どうだった? ぼ-や」
 ネギを心配しているふうもなく、寧ろ楽しんでいる様子のエヴァンジェリンが聞いた。
 長谷川千雨はそんな様子を一歩引いた所から眺めていた。

千雨と蟻と小銃と 17-5


「いやー完敗ネ。次は負けないアル」
 ネギ・スプリングフィールドに肩を借りながら、古菲が笑みを浮かべていた。
 そこに負けたことに対する悔しさなどは読み取れなかった。負けることはわかっていたのだろう。
『……次って――』
 うんざりしながら長谷川千雨は周りを見て、誰も古菲の治療を施さないことを見て心の中で溜息を吐いた。