千雨と蟻と小銃と 7-3


 千雨は教室に着くなり、早速、鞄からパソコンを取り出す。これから放課後、いつまでになるか分らないが、アナセスからの報告とかいろいろと時間をとられることが予測されるため、学校に居る間にホームページの更新用のネタと、欲を言えば原稿の下書きぐらいは進めておきたかった。
 千雨はふと教室内を見回す。教室内は相変わらず騒がしいがしく、何時もと変わらなかった。千雨はそんな風景の中の一箇所が気になった。その場所は、千雨から見て、最前列の右端、今は席に座らず立って話をしている佐々木まき絵だった。
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千雨と蟻と小銃と 7-2


「逃げるななの。吸血鬼としての誇りとかは無いのかなの」
 アナセスはエヴァンジェリンの後を追いかける。
「ふん、あの場に近衛木乃香がいなければ、まとめて血を吸っていたわ」
 エヴァンジェリンは忌々しげに言った。
「な~~んだ、ただの根性なしなの」

千雨と蟻と小銃と 7-1


 新学期も今日から始まり、何時ものように朝の通学電車に揺られている。千雨は何時もと同じように文庫本を開き、電車に乗っていた。ただ、何時もと違うのは、進行方向にドア二つ前と所にネギと神楽坂明日菜、近衛木乃香が同じ電車に乗っていることだろう。
『ちさめ、寮の探索始めるの』
『まだ早いんじゃないか?』

千雨と蟻と小銃と 6-3


 コンセントから等身大の火花が上がった。火花の中から、千雨がグラハムの襟元を掴み現れた。
 千雨が現れた場所は屋敷の玄関ホールだった。
「カーター、ちょっと来てくれ」
 千雨が呼ぶとカーターがすぐに現れた。